Page 4 - 「改革をいっそう全面的に深化させ、中国式現代化を推進することに関する中共中央の決定」に関する習近平総書記の説明
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系は全体として大きくなったものの強さには欠け、産業分野はほぼ網羅

                したものの先進度が高くはなっておらず、基幹核心技術においては他国

                から急所を押えられた状況が根本的には変わっておらず、農業の基盤が

                まだ不安定で、都市・農村間、地域間の発展および所得分配の格差が依

                然としてかなり大きく、民生保障や生態環境保護には未だ不十分な点が

                あること、などである。つまるところ、これらの課題はいずれも主要な
                社会矛盾の変化が反映したものであり、発展に伴う課題であるため、改

                革をいっそう全面的に深化させ、体制・仕組みの面から課題の解決を促

                していく必要がある。

                   第四に、これは重大なリスクや試練に対応し、党と国家の事業が末永

                く着実に進むようにする上での差し迫った要請である。中国式現代化を

                推進することは全く新しい事業であるだけに、前進の途上でさまざまの
                矛盾やリスク、試練に遭遇するのは必然である。とりわけ現在、世界の

                百年に一度の大きな変動の速度が増し、局地的な紛争・情勢不安が頻発

                しており、グローバルな課題が深刻化し、外部からの抑圧・阻害が不断

                にエスカレートすると同時に、わが国の発展は戦略的チャンスとリス

                ク・試練が並存する、不確実で予測不能な要素が増す時期に入り、さま

                ざまな「ブラックスワン」、「灰色のサイ」は随時起こりうる。こうい
                ったリスクや試練に効果的に対応し、日に日に激しさを増す国際競争の

                中で戦略的主導権をかち取るためには、われわれは改革をいっそう全面

                的に深化させ、整備された制度を利用してリスクを防止・解消し、効果

                的に試練に立ち向かうとともに、危機の中で新しいチャンスを生み出し、

                変動の中で新しい局面を切り開く必要がある。

                   Ⅱ.決定案起草の経緯

                   2023 年 11 月、中央政治局は、党の 20 期 3 中全会文書起草組を設置
                し、私を組長とし、王滬寧同志、蔡奇同志、丁薛祥同志を副組長として、

                中央政治局常務委員会の指導の下に文書の起草作業を担当することを



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