Page 33 - 2024年度国民経済・社会発展計画の執行状況と2025年度国民経済・社会発展計画案についての報告
P. 33

2024 年度の経済・社会発展計画の執行状況は全般的に良好であった。◇経済成

                長・社会民生などの所期目標が比較的よく達成され、◇革新駆動型発展がいっそう


                進められ、社会全体の研究開発費(R&D 費)の投入は比較的速い伸びを保ち、R&D

                費に占める基礎研究費の割合、デジタル経済中核産業の付加価値の対 GDP 比が引き


                続き増加し、◇グリーン・低炭素化が加速し、環境が持続的に改善され、GDP1 卖位

                当たりのエネルギー消費量の減尐は年間目標を超過達成し、主要汚染物質の排出量


                がさらに減尐し、非化石エネルギー消費量の割合が着実に上昇し、◇民生保障がし

                っかりとなされ、都市部の雇用状況は全体的に安定し、住民所得の伸び率が経済成


                長率を上回り、◇安全保障能力が一段と向上し、食糧・原油・天然ガスの生産量が

                持続的に増加した。一方で、◇労働生産性の伸び率が GDP の伸び率をやや下回った


                が、その主な原因は、年間平均の就業者数が前年度より増加したためである。◇社

                会消費財小売総額が伸び悩んだが、その主な原因は、外部環境の変化がもたらすマ


                イナスの影響が強まったことにより、国内で雇用と所得増の促進が厳しさを増し、

                物価の変動も重なり、社会消費財小売総額の伸びが妨げられたためである。◇消費


                者物価指数(CPI)の水準が比較的低かったのは、主にコモディティの価格下落の

                波及、内需の不足、一部産業における低価格競争などの影響を受け、住宅、自動車


                など商品とサービスの価格の推移が予想を下回ったためである。◇外商直接投資の

                規模が縮小したのは、主に外部環境の複雑性、厳しさ、不確実性が著しく増し、外


                資導入競争が激化したためである。◇GDP1 卖位当たりの二酸化炭素排出量の削減が

                所期目標を下回ったのは、主にポストコロナの経済回復と異常気象が頻発したこと


                の影響を受け、工業用と家庭用のエネルギー消費が大幅に増えたためである。

                   この 1 年、複雑で混沌とした国際環境と困難で重い国内の改革・発展・安定の任



                                                            31
   28   29   30   31   32   33   34   35   36   37   38