Page 24 - 2022年度中央・地方予算の執行状況および 2023年度中央・地方予算案についての報告
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幅に削減した。赤字規模を適正に規制したことで、5 年にわたり財政赤字の対 GDP 比が
ほぼ 3%以内に、政府債務の対 GDP 比は 50%前後に抑えられ、これらの数値は明らか
に世界主要経済国を下回り、新たな困難や試練に対応するために政策上の余地を残し
た。
この 5 年、激動する世界情勢、新型コロナウイルスの感染拡大、中国経済の成長鈍化
など幾多の試練を前にして、財政は全体的に安定した動きを保ち、予算の執行状況は比
較的良好であり、積極的財政政策は力強く効果的に実施されたことで、わが国経済の安
定的・長期的成長を促した。この根本は習近平同志を核心とする党中央の力強い指導に
あり、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想の科学的な導きにあり、全国人
民代表大会が審査・監督を強化し、全国政治協商会議が積極的に助言・提案したたまも
のであり、各地区・各部門及び全国各民族人民がともに奮闘したたまものである。
財政の改革・発展で収めた成果を評価すると同時に、予算執行と財政活動にはなおい
くつかの困難や課題が存在していることも見ておく必要がある。その主なものを以下
に挙げる。◇当面、わが国の経済回復の基礎が依然としてしっかりしておらず、一部の
地方政府とくに末端政府の財政収支の不均衡が拡大している。◇一部の部門・事業体が
職権や業界の資源を利用して法的根拠のない料金・費用を徴収し、一部の企業が未控除
仕入増値税還付金の詐取などの違法行為をしている。◇財政資金の運用効率をさらに
高める余地があり、一部の支出政策は内容の具体化・充実化の面において不十分で、実
績評価結果管理で一段と強化される必要がある。◇一部の地方特別債プロジェクトは
立案の段階で設計力や構想力が不足し、債券発行と事前の準備作業などとの連携も不
十分で、プロジェクトの事中・事後監督管理が徹底されておらず、資金の遊休化を招き、
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