Page 35 - 2023年度国民経済・社会発展計画の執行状況と2024年度国民経済・社会発展計画案についての報告
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構造の最適化と産業の構造調整の加速化にも役立つ。下支えする条件からみれば、

                この目標は経済成長のもつ潜在力と基本的に合致するものであり、下支えとなる資


                源・要素の条件が整っているほか、マクロコントロールの政策的手法も備わってい

                る。一方、わが国の経済は持続的に回復・好転してもなお多くの困難と試練に直面


                しており、この目標の達成は容易なことではなく、われわれがともに努力をしてい

                く必要がある。


                   ――都市部の新規就業者数を 1200 万人以上とし、全国都市部調査失業率は 5.5%

                程度とする。都市部の新規就業者数については、主に以下のことを考慮した。今年


                の新規増加労働力規模が依然としてかなり大きく、また農業から農外産業への労働

                力移動など雇用構造の調整にも新たな就業先を必要とするため、都市部の新規就業


                者数の目標を前年度の「1200 万人程度」から本年度の「1200 万人以上」に調整し

                て、雇用の安定、構造の調整、自信の強化という客観的要請だけではなく、雇用の


                安定化への力の入れ方と政府の決意を示している。都市部調査失業率については、

                主に以下のことを考慮した。今年の経済の動きが直面するリスク・試練は増加し、


                重点層の雇用情勢はかなり厳しい状況にあるため、所期目標を 5.5%程度にキープ

                し、雇用優先という政策の方向性を示している。


                   ――消費者物価指数(CPI)の上昇幅を 3%程度とする。主に以下のことを考慮し

                た。前年度の物価上昇のキャリオーバー効果と本年度の物価上昇の新たな要因を総


                合的に分析すると、本年度消費者物価は緩やかに上昇する見通しである。この所期

                目標を前年度の所期目標と一致させることは物価が安定的に上昇するという全般


                的趨勢と合致するとともに、マクロ政策によるコントロールの強化と物価改革の深

                化に一定の余地をもたせる。



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