Page 36 - 2023年度国民経済・社会発展計画の執行状況と2024年度国民経済・社会発展計画案についての報告
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――住民 1 人当たりの可処分所得の伸び率を経済成長率と一致させる。主に以下
のことを考慮した。前年度の「ほぼ同ペースに保つ」に比べより前向きなこの目標
は、家計所得の増大をはかる政策の方向性をいっそう示すものである。経済の回復
基調が続き、中間層の拡大や低所得層の所得増などにつながる政策にいっそう注力
していくにつれて、この目標は必ず達成できるが、それだけでなく、実際の取組に
おいてよりよい結果が得られるよう努力を重ねていく必要がある。
――国際収支を基本的に均衡させる。主に以下のことを考慮した。世界経済成長
の原動力は力強さに欠け、地政学的リスクの影響が高まり、保護主義の動きが強ま
り、貿易・対中直接投資の安定は新たな試練に直面している。同時に、わが国はハ
イレベルの対外開放を持続的に拡大し、完備された産業チェーンと超大規模市場の
優位性が顕在化しつつあり、「一帯一路」共同建設の沿線諸国、東アジア地域包括
的経済連携(RCEP)協定加盟国、自由貿易協定の締結国などとの多国間・二国間経
済貿易協力関係が持続的に強化され、越境 EC などの新業態が急速に発展し、重点
分野における外資の誘致・利用にいっそう力を入れることは、いずれも貿易・対中
直接投資の安定に役立つ。
――食糧生産量を 6 億 5000 万トン以上とする。主に以下のことを考慮した。食
糧安全保障の基盤を固めるために、食糧生産量の目標を安定させる必要がある。同
時に、食糧などの主要農作物の大面積卖収向上のさらなる推進および高基準農地造
成の加速化、農業の防災・減災・災害救助能力向上、食品ロス削減などの取組が持
続的に推進するにつれて、食糧の総合的な生産能力は安定を保ちつつ向上する。
――GDP1 単位当たりのエネルギー消費量を 2.5%程度低減させ、生態環境を持続
的に改善する。主に以下のことを考慮した。今年わが国の経済は持続的に回復・好
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