Page 33 - 2022年度国民経済・社会発展計画の執行状況と2023年度国民経済・社会発展計画案についての報告
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体のエネルギー消費の増加圧力が強まり、GDP1 単位当たりのエネルギー消費量の削

                減には大きな課題が残る。③重点分野のリスクが絡み合い、拡大するおそれがある。


                金融リスクが起こりやすい時期にあり、国際金融市場の変動が激しくなり、複数の

                国と地域、市場、分野間のリスクの関連性が明らかに強まっている。一部の地方の


                景気回復が直面する問題はかなり多く、財政難が深刻化している。地方政府系資金

                調達受け皿会社の債務リスク管理を規範化する必要がある。社会統治をいっそう強


                化する必要があり、労働安全が依然として厳しい状況にあり、異常気象や水害、干

                ばつなどの自然災害リスクがなお存在している。④民生分野に多くの不足部分がみ


                られる。雇用総量の圧力と構造的矛盾が同時に存在し、大学新卒者数は過去最高を

                更新し、重点層の雇用情勢は依然として厳しい。住民所得の伸びが鈍化し、持続的


                な住民の所得増を促進していくことはかなり難しい。教育・医療・保育・養老・住

                宅などの供給面でまだ不十分な点があり、基本公共サービスの均等化水準をいっそ


                う向上させる必要がある。大気・水・土壌などの環境面での持続的な改善の基盤が

                いまだ弱く、環境インフラ整備の強化が待たれる。⑤市場の期待が安定していない。


                企業とくに中小・零細企業が経営難を抱え、住民の消費マインドは慎重になり、企

                業の発展への期待不足と市場需要の低迷により悪循環に陥る可能性がある。また、


                われわれの取り組みにおいて、多くの目標・政策の整合性が十分にとれておらず、

                短期的変動の中で長期的な趨勢を把握し、発展の中でさまざまな難題を解決し、複


                雑な局面での大きな矛盾やリスクに早急に対処する能力の向上が待たれ、形式主

                義・官僚主義現象が依然として際立ち、政策の硬直化や現実を見ないケースが見ら


                れ、感染症の影響に対応する中で、一部の分野でいまだ不十分な点がある。

                   困難と課題に直面すると同時に、わが国の経済は、高い強靭性と大きな潜在力、



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